個人再生と自己破産では、減額の違いがあります。
個人再生では、100万円~500万円の借金なら100万円まで、500万円~1500万円の借金なら5分の1までというように、減額できる分が法律で決められています。
それに対して、自己破産では、借金をすべてゼロにできます。
借金がいくらであっても、ゼロにまで減額できるのが、最大の特徴です。

しかし、破産をすると、借金はゼロにできますが、資産価値のあるものはすべて没収されてしまいます。
自動車、土地、宝石、家具など、売却して20万円を超える価値になるものは、原則としてすべて没収されてしまいます。
年月が経過していて、売却をしても20万円にもならないような中古車については、所有を続けることができます。

個人再生では、資産はそのまま残せます。
ただし、資産を持っている場合には、減額できる金額に影響することがあります。
例えば、300万円の宝石を持っていたとすると、借金を300万円以下にまで減額してしまうと、債権者が納得しません。
それならば、宝石を売却して300万円に換えて、そのお金で借金を返済してくれと言うはずです。
そのため、持っている資産の価値よりも借金を減らすことはできません。
住宅ローンが残っているマイホームについては、特例があるので、ローンの返済を続けるかわりに、マイホームを所有し続けることができます。

資格制限があるかないかという違いもあります。
自己破産をすると、弁護士、司法書士、行政書士、警備員などの一定の職業に就いている人は、手続き中の間その職業に就けないという制限があります。
破産の手続きの間だけの制限なので、およそ半年間の間だけその職業に就けないという制限しかなく、それほど大きな制限でもありません。

自己破産では、ギャンブルや浪費によって作った借金は免責がおりないことがあります。
免責不許可事由と呼ばれるものです。
免責不許可事由に該当する場合でも、裁判官の裁量によって免責がおりることがあります。
ギャンブルや浪費で借金を作ってしまった場合でも、実際には免責がおりることも多いので、債務整理に強い弁護士に相談をしてみましょう。

まとめると、失いたくない資産を持っている場合、マイホームを残したい場合、資格制限のある職業に就いている場合、免責不許可事由に該当する場合などには、自己破産ではなく個人再生を選んだほうがメリットが大きいかもしれないということです。
しかし、ケースバイケースとなっているので、1人だけで判断をせず、弁護士などのアドバイスを受けることが重要です。